さまざまなブランド

企業やメーカーが所有するブランドについてはイメージしやすいが、ブランドにはほかにもさまざまな種類があります。まずは、最近よく聞くようになった「地域ブランド」です。地域ブランドとは、そのブランド名になる地域を消費者が認識するための、その地域に対するさまざまなイメージの総体です。主に経済的な側面でのイメージでよく使われ、具体的にはその地域の特産品やそれを使用した加工物、その地域ならではの観光地など実体のあるものから、「美味しそう」「きれい」といった環境そのものや、そこでしか受けられないサービスなど、無形なもの、イメージを連想させるものまで多岐にわたります。

次に「自分ブランド」です。これはパーソナルブランドとも呼ばれ、ブランドの概念や理論をそのまま個人にあてはめ、その人個人のPRを行うための考え方のことです。ビジネス社会に身を置く人であれば、限られた時間の中でいかに自分の印象を強く残すことが出来るか、というのは大きな課題の一つでしょう。自分ブランドについて考えることで、膨大なコストをかけて不確かな営業活動を行うよりも、より少ない労力で優良顧客を獲得できる確率は少なからず上がります。

ここまでブランドについて色々とみてきましたが、ブランドとはそれを考えた人自身一人で作り上げるものではなく、それを外から見た消費者一人ひとりが抱く感想や経験も反映され作り上げられていくものです。ビジネスとして取り入れ仕掛けていく人は、これを忘れてはいけません。

ブランドが与える影響

企業やメーカーにとってブランドとはどのような関係なのでしょうか。ブランドがもたらす価値は大きく次の3つに分けることができます。

一つ目は、消費者に対して提供する「顧客価値」です。商品やサービスのCMやレビューが口コミなどで広がり、「そのブランドだからいい」と思ってもらうというものです。二つ目は、従業員に向けて提供する「従業員価値」です。消費者としてそのブランドを利用し、経験した満足感から「このブランドだから働きたい」と従業員に夢と誇りを持ってもらう、というものです。企業にとっては良質な人材を比較的低コストで獲得でき、またそこで働く従業員は好きだから頑張れると、最大限のパフォーマンスを追求する、プラスの循環が生まれます。三つ目は、株主に対する「株主価値」です。消費者がブランドとして認め、リピーターとして継続して利用したり、今後のビジネス展開に有望な場合、その類に敏感な投資家は決して見逃しません。少しずつ伸びていく株価は、そのままブランド価値に対する評価に値します。

このように、企業にとってブランドとは、商品そのものの価格を越えて、ブランドの価値そのものにお金を払って購入することもあります。また、ブランド自体の価値が高まることで、他社の似た製品の中でも価格を変えることができ、同時に利益につの高い商売が可能になります

ブランドというものについて

ブランドという言葉は、最近は耳なじみのある言葉になってきました。もともとは企業やメーカーなどで自社の商品やサービスと、他会社の同カテゴリーに存在する似た商品やサービスを区別するために使われていた言葉で、マーケティングの世界で使用されていた言葉です。その区別には、文字や図形で具体的なブランド独自のロゴや商標を使用することが多いです。

ブランドと聞くと、ファッション分野での高級品イメージのついたメーカーや、具体的な商品を思い浮かべる方も多いと思いますが、最近では言葉の持つ意味は更に広義に渡り、その商品やサービスを広めるためのメディア特性や、得られる消費者の経験、企業や商品自体が持つ意思や思想なども含まれ、我々消費者の頭の中に広がる価値観、世界観そのものと言っても過言ではありません。つまり現代では、商品そのものだけではなく、独自のサービスや、独特な空間、人、街など、さまざまなものがブランドになり得るのです。先程出たロゴも具体的な例のひとつで、ロゴを見ればそのブランドを連想する、というのはブランドイメージそのものです。

まだこの言葉が広まり始めた当初は、ブランディング=イメージアップ、イメージ操作と誤解されることも多くありましたが、最近ではブランド=イメージそのものである、と本来の意味でプラスに捉えられることが増えました。企業の思想を反映するブランドはそのまま消費者の思想に繋がっているのです。